症例一覧

2021.06.07更新


こんにちは八幡西区の歯医者、いまむら歯科クリニックの院長今村です。
むし歯で歯が欠けてしまうと修復が必要になります。現在では材料学が進歩してたくさんの素材がありますが、保険で使用できるもの保険外で使用するものと決まっています。

保険
まず保険で使用するものについて説明しましょう。
保険診療は使える素材が部位によって決まっています。下の小臼歯の場合、一般的には金銀パラジウムの金属インレー、削った部位が小さい場合はコンポジットレジンによる修復で対応します。金銀パラジウムはいわゆる銀歯のことです。保険適応の金銀パラジウム合金は金の含有量が12%以上、その他銀とパラジウムを含む金属と規定されています。保険適応の金属はすべてJIS規格のものなので安心です。余談になりますがテレビやネットのニュースでも報道されたことがありご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、この金銀パラジウム合金がすごく高いのです。金属なので価格変動があり高値のときは金属のかぶせ物、詰め物をすると保険点数は決まっているので赤字になってしまいます。この金銀パラジウムの高騰は私たち歯科医師を悩ませています。
この金銀パラジウムで修復するメリットは保険適応なので患者さんの経済的負担が少ないことです。金属で強度もあるので耐久性もあります。
削った部位が小さい場合に行うコンポジットレジンは白色の歯科用のプラスチックです。むし歯が小さく十分に歯質が残っている場合が適応になります。コンポジットレジンは保険適応で1~2千円の自己負担で治療ができます。ただケースを選びますのでできるかどうかは診断をしてからになります。たまに患者さんで奥歯も保険の範囲で白くしたいのでコンポジットレジンを詰めてほしいと要求される方がいますが、適応外のケースに無理に行うと欠けたり外れてしまいます。
コンポジットレジンは特殊な光を当てて硬化させます。硬化させる前は柔らかいペースト状なので、内側性(四方に歯質がある)の小さなむし歯が対象になります。銀歯より目立ちにく白い詰め物で修復したいものですが無理な治療は後々トラブルの原因になります。

保険外のものだと金属修復ではゴールドがあります。白いものならジルコニアやe-maxがあります。
ゴールドはいわゆる金歯です。見た目は目立つかもしれませんが延びる性質があり保険の金属に比べると柔らかいのでフィットがよく、対合歯(反対側の歯)を摩耗させることがありません。
ジルコニアは高圧縮されたセラミックのブロックを削って作製します。そのため高い強度を持っています。e-maxは高い強度と透明感をもっているため審美性に優れています。
ジルコニアとe-maxの違いは強度と審美性にあります。審美性ならe-maxの方が優れています。強度はジルコニアに軍配があがります。噛む力が強い男性の奥歯などはジルコニアが適しています。一方、笑ったり大きくお口を開けるとみえる小臼歯の部位はe-maxのほうが向いています。その方の噛み合わせの状態や習癖(歯ぎしり)を考慮して素材を選択する必要があります。
                                                                                                                       歯学博士 今村英之

投稿者: いまむら歯科クリニック

2021.05.09更新


新型コロナウィルスがまだまだリバウンドを繰り返し減ったり増えたりしています。福岡県は3度目の緊急事態宣言が発令されました。人類の歴史は感染症との闘いだったと言われています。インフルエンザウイルスや他の感染症に対しては特効薬やワクチンがあります。新型コロナウィルスに対してもワクチンが開発され医療従事者から優先的に行われているようですが、副作用の問題など課題があるようです。当院も2月にワクチン接種希望者の申請をしましたが、まだ順番が回ってきていません。コロナウィルスに対するワクチンや特効薬の有効性が確立しなければ、マスクの着用、3密も回避、イベントの自粛が行われまだまだ本来の生活様式に戻ることはないでしょう。

グラフ

さて、先日国会答弁で口腔ケアの重要性が取り上げられていましたのでお話したいと思います。
歯科医院ではお口を開けたままでの状態で飛沫もとぶので、コロナウィルスの感染に対して歯科治療は危険だと危惧されていました。しかしこの1年間、歯科治療を介して感染が拡大したような事例はないといわれています。たしかに歯科医院での感染やクラスターも報道されたことがありましたが、それは歯科医院に勤めている従業員が外部からもらってきたものを歯科医院で感染拡大させてしまったものです。ちなみに当院では従業員には会食や不要不急の外出などを自粛するようにお願いし、昼食時もスタッフルームではなく別々に食べるようにしています。せっかくのお昼ご飯、楽しく話しながら食べたいものですが、万が一コロナ感染者が出た場合に被害を最小限にとどめるためそのような措置をとっています。ではなぜ医科の病院ではクラスターの発生などがたびたび起こってしまいましたが、なぜ歯科医院ではそのようなクラスターが起こらなかったのでしょうか。それは私たち歯科医師、歯科衛生士は常日ごろからマスクやグローブをして診療を行っています。器具の滅菌消毒、診療台の清掃も患者さんごとに行い、コロナウイルスの感染だけではなく他の感染症に対しても自分が感染しないように患者さんを感染させないように十分に注意をしています。
口腔ケアは感染症に対しても有効であり、感染防止のためには3密を避け手洗い十分な睡眠と栄養を摂り適正な歯みがきを行うとも大切です。適正な歯みがきは自己流ではなかなかきれいに磨けません。特に歯石は歯みがきでは取り除くことはできず、歯周病菌の巣になってしまいます。ふだんから歯科医院で定期検診、歯石除去を行っておく必要があります。

 

投稿者: いまむら歯科クリニック

2021.04.08更新


みなさまこんにちは。八幡西区の歯医者いまむら歯科クリニック、院長の今村です。

4月になり新年度がスタートしました。今回は第二大臼歯のむし歯のリスクについてお話させていただきます。

12y
6歳臼歯という言葉を聞いたことがあるかと思います。では12歳臼歯って聞いたことありますか?あまり聞きなれない言葉かもしれません。12歳臼歯は専門用語で12歳くらいに生えてくる永久歯で第二大臼歯というものです。永久歯の中で親知らずを除けば一番最後に生えてくる一番奥の歯になります。12歳臼歯が生えて大人の歯列が完成するのでとても重要な歯です。12歳臼歯は注意をしないとむし歯になってしまいます。
むし歯になりやすい理由は生えはじめの永久歯はまだ歯の質が弱く、乳歯が抜けて生えるわけではないので生えたことに気づきにくい、また一番奥歯にあるので歯ブラシが届きにくいことが原因として挙げられます。あと思春期における生活環境も関係しています。12歳ころ、中学生になると塾や部活で歯科医院に行く時間がなくなり今まで通っていた定期検診にも通わなくなってしまいます。また親の管理下ではなく自由に好きな時間におやつを食べたりするようになり、親の目が届かないところでも飲食をするようになります。歯みがきの習慣も親の管理が行き届きにくくなることも原因です。
12歳臼歯にむし歯をつくらないようにするためにはまず生え始めに気づくことが大切です。お子さんがそれに気づくことはなかなかできないし、親御さんがお口の中を覗き込んで確認することも難しいと思います。早く気付く方法は歯科の定期受診をしっかりと継続的に行うことです。12歳臼歯が生えてくる時期は定期検診の間隔を短くして生え始めを見逃さないことが大切です。生え始めを確認したら歯科医院では適切な予防処置と指導を行います。歯のブラッシング方法の説明や歯の表面のクリーニング、歯の溝へのシーラントを行います。
ご自宅でのケアはフッ素入り歯みがき剤をつかいましょう。フッ素濃度1000ppmのものよりも1450ppmの高濃度のフッ素が配合されたものがお勧めです。その後はできるだけ少量の水でお口をすすぎ、できるだけフッ素がお口の中に残るようにします。

第二大臼歯(12歳臼歯)は生え始めの時期だけでなく奥にあるためブラッシングが適切に行われずむし歯なりやす状態です。20歳ころになるとその奥の親知らずが生えてきて、親知らずとの間にもむし歯ができやす環境にあります。不幸にしてむし歯ができてしまった場合、早期に治療することをお勧めします。第二大臼歯は歯根の形態が樋状根といって歯の根が複雑な形態をしたケースが全体の30%ほど存在します。根の形態が複雑なため痛みが出て歯の神経を取らなければならない場合、治療が困難になり治療後も予後があまりよくありません。
早期発見、早期治療が大切です。

投稿者: いまむら歯科クリニック

2021.03.14更新


こんにちは。院長の今村です。

 福岡県のコロナウイルス感染の緊急事態宣言も解除されましたが、まだまだ新規患者が増えており予断が許せない状況です。東京オリンピックの準備も進められているようですが、無事に開催することができるのか不安です。

さて、今回は入れ歯についてお話したいと思います。入れ歯には保険の範囲で作れる入れ歯と保険外で作る入れ歯があります。

入れ歯
どちらがよく噛めるのかといえばそんなに大きな差はありません。よく噛める入れ歯とは簡単にいうと動かない入れ歯です。保険の入れ歯だからといって機能的に問題があるわけではありません。しかしもっと快適に噛みたい場合や見た目をよくしたい場合保険と自費の違いが出てきます。
保険の入れ歯の歯ぐきを覆う部分(義歯床といいます)はアクリルレジンというプラスチックの一種でできています。プラスチックではどうしても強度的に弱いので割れるのを防ぐためにある程度厚みが必要になります。厚みを確保するとどうしてもお口の中で存在感があり違和感、異物感が生じてしまいます。一方自費の入れ歯では義歯床の一部を金属にすることができます。金属にするとアクリルレジンで作製するより強度を保ちながら薄くすることができるので、お口の中のスペースが広くなります。広くなると舌の動くスペースができるので使い心地が向上します。また薄くなり金属も使用するので食べたものの温度も伝わりやすくなります。また人工歯の部分も変色しにくい丈夫で長持ちするものを使用します。保険と自費の部分入れ歯の大きな違いは快適性だと思います。

また保険の入れ歯で一番気になってしまうのがクラスプという入れ歯を固定するバネです。クラスプは保険の入れ歯では金属で作製するので目立ってしまいます。自費の部分入れ歯の場合、このクラスプの材質を変えたり、クラスプを使用しない義歯もあります。クラスプを使用しない固定法にはいくつか種類があります。磁石やアタッチメント(ボタンのようなもの)で固定するタイプは目立たず、残った歯への負担も軽減されます。コーヌスクローネ、AGCテレスコープ義歯は被せ物と義歯を連結した義歯で見た目がきれいで外れにくい義歯です。
見た目が気になるかたに一番手軽なのがノンクラスプデンチャーという部分入れ歯です。これは保険義歯のクラスプという金属のバネの部分が歯ぐきと同じピンク色でできています。このタイプは金属アレルギーの心配がないという利点もあります。
保険と自費の部分入れ歯の大きな違いに設計の自由度があります。保険の入れ歯では使用する材料や設計に制限があります。自費の部分入れ歯の場合制限がないため設計の自由度があがり、患者さんのお口にフィットするものを提供できます。いまむら歯科クリニックでは様々な特殊な技術を要する義歯の作製にも対応しております。

投稿者: いまむら歯科クリニック

2021.01.31更新


こんにちは。院長の今村です。1月も今日で終わりです、早いですね。

今回はエナメル質形成不全と紫外線の関係についてお話します。

紫外線を浴びることで体内に合成されるビタミンDは骨や歯の成長には必要です。が、このビタミンが欠乏しているお母さんたちの胎内で育ち母乳で育てられたお子さんたちにエナメル質が弱い「エナメル質形成不全」が増えています。

歯のできがよくないエナメル質形成不全のお子さまが増えてきています。私たち歯科医師も普段診療をしていて実感します。10年前であれば10人に1人くらいの割合でしたが、細菌のデータでは5人に1人くらいに増加しています。

歯は乳歯でも永久歯でも形成される時期は決まっています。エナメル質のできに問題がある場合、その時期に歯の発育を妨げる何らかの問題が生じています。その時期は乳歯なら妊娠4~5か月くらいにエナメル質が形成されます。永久歯は生まれてから硬くなりはじめ3歳くらいまでにエナメル質ができあがるのでこの時期に何らかの問題が生じています。

妊婦

考えられる原因は遺伝的要因と環境的要因があります。歯が正常に育たない遺伝子をもつお子さんや高齢出産が増えると増加するとされる遺伝病が歯の発育に影響を及ぼすこともあります。しかし環境的要因も考えらえます。歯が形成される妊娠期から出生後の幼児期までの環境に問題が起きていると考えられます。
原因はおそらくビタミンD欠乏症と考えられています。
エナメル質形成不全は世界中で増加しているといわれていますがアメリカではあまり増加していません。アメリカはビタミンDの摂取を推奨しており食品に添加していたり妊産婦にサプリメントを取らせたりしています。ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を促進し骨や歯の発育には必要な栄養素です。実際にビタミンD欠乏症が原因でお子さまのクル病が増えていると報告があります。これと同じように歯の成長期におけるビタミンDの不足がエナメル質形成不全をおこしているのではないかというのが有力説になります。

母乳保育のほうがビタミンD欠乏症のお子さまが多いといわれています。お母さんのビタミンDが欠乏していることで、その母乳で育ったお子さまにも影響が出てしまします。
お母さんたちのビタミンD不足は食生活の変化が原因です。ビタミンDは魚やキノコの多く含まれていますが、最近では魚はあまり食べない若い方が増えているのではないでしょうか。もうひとつは紫外線対策によるビタミンDの欠乏が原因です。ビタミンDは食べ物から摂取する以外に皮膚が紫外線を浴びて体内で合成され、質の良いビタミンDを得ることができます。
夏前になると多くのメーカーから日焼け止めクリームが発売されます。女性の方は熱心に顔だけでなく腕や足にも塗ります。
食生活の変化と徹底した紫外線対策がエナメル質形成不全の原因と現段階では推測されています。確定したデータを得るにはあと数年かかります。エナメル質形成不全は歯の構造がもろいのでむし歯のリスクが高く、詰め物をしてもはずれやすいので治療を行っても繰り返してしまいます。
エナメル質形成不全を増やさないためにビタミンDの欠乏に気をつけてください。

 

投稿者: いまむら歯科クリニック

2020.12.24更新

こんにちは。院長の今村です。今年も残すところあとわずかとなりました。コロナ渦でイベントが少ないせいか、時間が経つのがいつもより早く感じます。

さて今回はフッ素についてお話しましょう。

むし歯予防にたいへん効果のあるフッ素。フッ素は私たちの身近の土や海、川の水にも含まれている自然界にも存在するものです。今回は歯科医院で受けるフッ素歯面塗布ついてお話します。
フッ素の歯面塗布は歯の表面に高濃度のフッ素を塗るむし歯予防の方法のひとつです。フッ素の歯面塗布は何歳くらいから受けると良いかご存知でしょうか?
答えは1歳半です。
当院のある北九州市では1歳半歯科検診の案内がお子さまが1歳半になると市からはがきでお知らせがくると思います。この頃のお子さまのお口の中の状態は奥歯もしっかりはえてきてしっかりとご飯も食べられるようになるので、離乳もすすみむし歯のリスクが高くなってくるのでむし歯予防に取り組む必要があります。検診と一緒にむし歯を予防するためにフッ素塗布を行うと効果的です。

フッ素

フッ素の歯面塗布ってどんなことをするのか心配だと思う方もいらっしゃるかと思いますが、お子さまでも簡単に受けることができます。歯の表面に直接ジェルや泡状のフッ素を塗って歯を丈夫にします。ご自宅で行う歯みがき剤や洗口液によるむし歯予防と違うのは歯科医院で使用するフッ素は濃度が高いものを塗布します。現在、日本で販売されている歯みがき剤にはほとんどフッ素が入っています。しかし、一般の歯みがき剤のフッ素濃度は高くても1500ppm。ちなみに歯科医院でフッ素歯面塗布に使用するものの濃度は9000ppmもあります。ぜんぜん濃度が違うでしょう。これは歯科医院でしか取り扱うことができず、一般の方がご自宅で使用することはできません。濃度が高くても身体に悪い影響を与えることはありませんのでご安心ください。

フッ素塗布剤を歯面に塗っておくと歯の表面にむし歯になりにくい硬い結晶構造ができますが、これは定期的に歯科医院で受けていないとむし歯の予防効果は下がります。少なくとも年に2,3回、むし歯ができやすのであれば年に5,6回は受けることをお勧めします。
年に2回の塗布だとむし歯予防効果は20%くらいですが、やったりやらなかったりだとあまり効果がないといわれています。

フッ素の歯面塗布は生えたての歯に一番効果があります。生えたての歯は幼弱でむし歯になりやすい状態です。でもその分フッ素を取り込みやすく表面も硬くなりやすい状態です。乳歯をむし歯から守るなら奥歯が生えてきた1歳半くらいが適しています。永久歯を守るなら第二大臼歯が生え終わるまで続けると良いでしょう。中学生までは定期的に歯面フッ素塗布を受けるのがいいです。あと大人でも歯周病によって歯ぐきが下がってしまい歯根が露出した場合の根面う蝕の予防にも効果的です。
むし歯のない健康なお口はお子さまへの素晴らしいプレゼントです。

投稿者: いまむら歯科クリニック

2020.09.22更新


こんにちは。院長の今村です。コロナウイルス感染者数も少なくなってきています。このまま二度と再発することなく収束してくれると願っています。
さて、前回新潟県の子供のむし歯が全国一少ないことをお話ししたと思います。今回はその続きになります。まずフッ素が歯を強くする仕組みからご説明しましょう。
フッ化物(フッ素)はお口の中でどのようにしてむし歯予防に役立っているのでしょうか?
お口の中では飲食後、細菌の出す酸や飲食物に含まれる酸によって歯からカルシウムが溶けだします。これを脱灰といいます。その後時間が経ってくると、唾液の作用によって徐々に溶けだしたカルシウムが歯に戻ってきます。これを再石灰化といいます。このときにフッ化物がイオンの形で唾液中にあると再石灰化のスピードが速くなりかつ、歯の表面の結晶を硬く大きなものに変化させ、歯の表面の結晶性を増加していきます。その結果、酸に対する抵抗性が増してむし歯になりにくい歯になります。この仕組みは歯磨き粉に含まれているフッ化物と同じです。フッ化物洗口の場合は、そのあとうがいをしないので適度な量がお口の中に停滞してくれます。ただしフッ化物洗口はすぐに効果が出るものではありません。数年かけて徐々に歯の質を強化していきます。
前回お話しした新潟県では保育所の児童から中学校の卒業まで、約10年かけてフッ化物洗口が行われています。この時期は義務教育期間なので多くの子どもたちがフッ素の恩恵を受けることができます。またこの時期は永久歯へと生えかわっていきます。生えかわったばかりの永久歯は歯の表面の質が弱くむし歯になりやすい状態です。ちょうど保育所から中学卒業までの期間は生えかわりの歯の質が弱い時期です。この時期にフッ素を歯に作用させるのはむし歯に対してとても有効です。むし歯のない健康なお口の状態はお子さまへのすばらしいプレゼントです。

フッ化物洗口はご自宅でもできます。当院で取り扱っている洗口液をご紹介しましょう。ライオンが販売されているフッ化ナトリウムです。
顆粒を水に溶かして使うタイプのものもありますが、ライオンのものはそのままあるいは水で薄めて手軽に使用することができます。

フッ素の役割
メーカーからさまざまなものが出ていますが使用方法はどれも同じで1日1回歯みがき後に5~10mlをお口に含んで30秒~1分間ぶくぶくうがいをして吐き出すだけです。その後はすすがず、30分は飲食を控えます。夜、寝る前にすると効果的です。
フッ化物洗口は子供だけでなく大人にも有効です。加齢や歯周病によって歯ぐきが退縮してしまい象牙質が露出している場合など、歯の根元のむし歯予防になります。また詰め物などの2次カリエスの再発予防にも効果があります。
毎日のお口のケアとして取り入れてみてはどうでしょうか?

投稿者: いまむら歯科クリニック

2020.08.30更新

こんにちは。院長の今村です。まだまだ暑い日が続きます。みなさま体調を崩されたりしてないでしょうか?今回の「歯の豆知識」では知識というよりこころ温まるお話をお伝えしたいと思います。
むし歯は歯周病とならび歯科の2大疾患といわれています。とくにこどものむし歯は昔よりは少なくなったとはいえ、今でも保護者の方の悩みの種ではないでしょうか?そのこどものむし歯の数が17年連続で日本一少ない県があります。日本一こどものむし歯が少ない県はどこでしょうか?
1東京都
2福岡県
3京都府
4新潟県
5香川県
当院のある福岡県であってほしいと思いますが、日本一こどものむし歯が少ないのは新潟県です。文部科学省は全国の学校保健統計調査を発表しています。その中に「12歳児における一人平均むし歯本数」という項目があります。なぜ12歳児なの?と思われる方もいらっしゃるかと思います。12歳児は永久歯がほぼ生えそろう時期で12歳児のむし歯の数は国際的な比較にも用いられる代表的な数値です。(この数には既に治療した歯も含まれます)。

むし歯


2016年度都道府県別12歳児一人平均むし歯数の全国平均は0.84本です。新潟県の12歳児の一人平均むし歯数は0.4本と全国で最も少ない結果です。しかも17年連続で1位です。2位は岐阜県、3位は静岡県です。当院のある福岡県は残念ながら36位で12歳児の一人平均むし歯数は1.1本です。福岡県が歯医者の数が少ないわけではありません。ちなみに福岡県は全国的にみて歯医者の数は多く、歯医者激戦区といわれています。当院でも予防歯科には力をいれて取り組んでいますがまだまだ頑張らないといけません。

新潟県では新潟県歯科保健推進条例に基づき、毎年県内のすべての保育所、学校などを対象に全数調査が行われています。そのデータによると2016年の12歳児の一人平均むし歯数は0.44本。むし歯のまったくないこどもの割合は県内約2万人の中学1年生のうち79.7%になります。10人に8人はむし歯がないのです。むし歯ができたことがないこどもの割合は調査を開始した1980年は約20%でしたが2016年は約81%と37年間で約4倍になりました。
これほどの成果が出ている要因は学校などでのフッ化物洗口にあります。
新潟県では保育所や幼稚園、学校でフッ化物洗口が実地されています。フッ化物は歯磨剤でもよく聞くフッ素の成分です。そのフッ素を含んだ溶液で口をすすぐことです。新潟県では50年ほど前からある小学校で始まったのをきっかけに、市町村事業としてフッ化物洗口が県内に普及しまた。現在の普及率は保育所・幼稚園で約70%、小学校で約84%、中学校で約40%、いまも新たに実地する施設は増えています。方法はとても簡単でフッ化物が入った溶液で1週間に一度1分間子どもたちにブクブクうがいをしてもらうだけです。薬剤は処方・調剤は歯科医師の指導のもと管理されています。すばらしい取り組みですね。むし歯のない健康なお口はこどもにとっては何よりもの宝物です。それをかなえるため県レベルでの取り組みってすばらしいです。この取り組みは全国でも広がっています。県レベルではとくに佐賀県、秋田県、熊本県、島根県、宮崎県などで積極的に行われています。

投稿者: いまむら歯科クリニック

2020.08.16更新


こんにちは。院長の今村です。前回、ホワイトニングの効果についてお話しました。今回はホームホワイトニングについてご説明します。
ホームホワイトニングは自宅で行えるホワイトニングです。歯科医院で行うオフィスホワイトニングに比べると時間を十分にかけておこなうので効果が出やすい、再着色しにくいというメリットがあります。しかし、一日2時間もしなければいけない、マウストレーをお口の中に入れるのが苦手だなといったデメリットもあります。

ホワイトニング

ホームホワイトニングは自宅で1日2時間の2週間の使用が目安です。
ホワイトニングを行うにはまず診察とカウンセリングが必要です。
よく「今日、歯科医院に行ったらホワイトニングしてもらえますか?」というお問い合わせがありますが、大切な歯を守ってより良い結果が得られるようにむし歯の有無や歯に入ってるヒビ、被せ物などを確認し、必要な準備をしてからスタートします。

ホワイトニングが困難なケース
・エナメル質や象牙質が形成不全の歯:痛みの原因になったり、白く目立つ場合があります。
・むし歯や亀裂がある歯:痛みが出る可能性があり事前に治療が必要です。
・被せ物や詰め物は白くなりません
・金属による変色がある場合:ホワイトニングでは取れません。
ホワイトニングは避けましょう
・お子さまや若年者の方。
・妊娠中や授乳中の方。
・重度の知覚過敏症の方。
・無カタラーゼ症の方。
・アレルギーのある方。

ホームホワイトニングは歯の型を取り専用のマウストレーを作製し、マウストレーに専用のジェルをつけて行う方法です。

使用方法を守ってください
1. 薬液のジェルをつけすぎない
つけすぎてもホワイトニングに効果が上がることはありません。用量とおりにつけてください。装着時にマウストレーからはみ出たものはティッシュや綿棒でふき取りましょう。2時間以上マウストレーを装着しても薬液の効果がうすくなるため効果はありませんので決められた時間を守ってください。
2. マウストレーの清潔を保ってください
使い終わったトレーは歯ブラシを使って毎日きれいに洗いましょう。熱湯などで消毒すると変形しますのでやめましょう。
3. ホワイトニング後は飲食物に注意してください
ホワイトニング後は歯の表面にあるぺリクルがなく、着色や知覚過敏が起きやすい状態です。ぺリクルができてくる3時間程度は色の濃いもの(カレー、ミートソース、ワインなど)は避けるようにしましょう。

オフィスホワイトニング、ホームホワイトニングとそれぞれメリットデメリットがありますのでご自分の生活スタイルあった方法を選ぶとよいでしょう。

投稿者: いまむら歯科クリニック

2020.07.24更新


みなさまこんにちは。院長の今村です。今年は記録的な大雨となってしまいました。住宅が損壊を受けたり、犠牲になられた方には心からお悔やみを申し上げます。

いまむら歯科クリニックでは8月・9月にホワイトニングキャンペーンをおこないます。みなさまに気軽にホワイトニングを体験していただくため通常の半額でご提供させて頂きます。今回はホワイトニングについて解説します。

歯の色が以前に比べて黄色になってきたなと気になることはありませんか?歯は年齢とともに象牙質の厚みが増してきて、徐々に色が濃くなってきます。またエナメル質は年齢とともに薄くなってくるため歯はさらに黄色っぽくなってきます。
歯の色によって年齢を感じるのは歯の加齢とともにおこる現象に問題があります。

ホワイトニング

 

ホワイトニングの歯に対する作用について
歯のホワイトニングに用いられる薬剤は過酸化水素と過酸化尿素というものが用いられています。この薬剤が分解したフリーラジカルが歯の中に入り込んでいる汚れや着色物質などを分解すると、着色物質の色が消えて歯が白くなります。作用した後の薬剤は酸素と水に変化するので歯を痛めることなく安全に漂白できます。
また、歯のホワイトニングのルーツは歯周病菌を過酸化水素で除菌するという歯周病の治療方法です。ホワイトニングの薬剤には漂白作用とともに殺菌作用もあり、むし歯や歯周病のリスクを下げる働きもあるといわれています。歯の表面はぺリクルという唾液のたんぱく質でできた膜で覆われています。ホワイトニングをするとこの膜がなくなり歯は裸の状態になりますが、この機に歯にフッ素やリン・カルシウムを作用させると、ぺリクルが阻害いせず再石灰化が効率よく行えます。

 

最近ミドルエイジのホワイトニングが増えています。
若いころに比べて濃くなる歯の色、気になりますよね。確かに歯は年齢とともに黄色味を増していきます。原因は歯のエナメル質(最表層)の下にある象牙質が加齢とともに厚みを増していくからです。象牙質はもともと黄色味があり、この厚みが増すと黄色っぽくなってきます。歯が黄色になってくるもう一つの原因は歯のエナメル質が使っているうちにすり減って薄くなるからです。エナメル質が薄くなるとその下の象牙質が透けて見えやすくなってきます。そのため黄色っぽくなってきます。ホワイトニングをするのは若い方がするイメージが強いようですが、40代以上の方でもいらっしゃいます。ホワイトニングはアンチエイジングの要素のひとつでもあります。
たしかにホワイトニングはエナメル質にボリュームのある若い方のほうがより白くなります。ホワイトニングの薬剤はエナメル質に対して多く作用するので、エナメル質が薄くなったご年輩の方は真っ白にするのは難しくなってきます。しかし、歯は白くしたいけど削るのは抵抗がある方にとって歯を痛めることなく、むしろむし歯や歯周病の抑制までできるホワイトニングは手軽にできる治療方法です。

投稿者: いまむら歯科クリニック

前へ 前へ
  • 院内ブログ
  • 当院の症例集
  • 料金について