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2020.06.21更新


歯科医院で撮影するレントゲンには大きくわけてふたつあります。一つはむし歯の治療、歯周病の治療を行うまえに撮影するデンタルエックス線写真。もう一つは歯科医院を受診した際に最初に撮影することがあるパノラマレントゲンがあります。今回はパノラマレントゲンについてご説明いたします。

パノラマレントゲンは、上は眼窩(目の周囲)から下は下顎オトガイ部(下顎)までの範囲を一度に撮影することができます。当然上顎の歯、下顎の歯も写ってきます。
パノラマレントゲンを撮影することによって以下のことがわかってきます。

パノラマレントゲン
1. むし歯の有無
2. 歯周病の程度
3. 親知らずの状態
4. 顎の骨の中にある病気の有無
5. 顎関節(顎の関節)の状態
6. 上顎洞(副鼻腔)の状態
7. 歯科の治療歴
8. 被せ物の状態
9. 過剰歯の存在
10. 子どもの場合過剰歯、欠損歯のチェック
などたくさんの情報を得ることが可能となり、診断を行ううえでとても役立ちます。
当院ではメンテナンスに来られている方はむし歯、歯周病、またその他の病気の早期発見のため数年に一度はパノラマレントゲンを撮影することをお勧めしています。
またお子さまの歯が乳歯から永久歯に生えかわる時期に外から見ているだけではわからない問題が起きてくることがあります。
歯が通常より多い過剰歯は30人に1人ほど、永久歯が少ない先天性欠損歯は10人に1人くらいの割合で見つかりますが、早期発見で歯並びや噛み合わせを守ることのできる場合もあります。お子さまが生えかわりの時期になったら一度歯科医院でパノラマレントゲンを撮ると早期の異常発見に有効です。

パノラマレントゲンは有効であるけど放射線量が心配と思われている方もいらっしゃるかと思います。パノラマレントゲンの放射線量については欧州委員会のガイドラインでは約0.003338~0.03ミリシーベルト、日本ではイギリス、フランスと同程度の0.01ミリシーベルトと推定されています。この数値は自然放射線と比較してみると理解しやすいでしょう。
私たちは宇宙や大地、空気食物から微量の放射線を受けています。これを自然放射線といいます。私たちが年間自然放射線から被ばくする量は、日本で2.1ミリシーベルトといわれています。東京~ニューヨーク間を飛行機で往復する際の被ばく量は約0.2ミリシーベルトです。パノラマレントゲンで被ばくする量はその200分の1程度とわずかでしかありません。さらに撮影時は防護エプロン(鉛が入っていて被ばく量を100分の1にすることができる)を着用するので被ばく量はさらに減ります。
ただ被ばく量が低いとはいえ、メリットの少ない撮影は控えるべきです。患者さんが最小の被ばく量で最大の利益を得られるよう適切に撮影していますので安心してください。

投稿者: いまむら歯科クリニック

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