こんにちは。八幡西区の歯医者、いまむら歯科クリニックの院長今村です。
一年で一番寒い時期です。雪が降ったり最近は寒いですね。
今回は歯周病と抗生物質についてお話させて頂きます。
歯を失う原因の第一位と言われている歯周病。プラークや歯石が着いたまま放置されると気づかないうちに歯周病が進行し、歯がぐらぐらしてきて最終的には抜けてしまう恐ろしい病気です。歯周病の主な原因は歯周病菌が原因です。歯周病原菌はプラークの中を住処としています。この歯周病原菌の住処となるプラークは、付着して24時間以内なら歯ブラシでこすることによって落とすことができます。しかし、そのままにしていると増殖して厚みを増し、バイオフィルムという硬い膜を作ってしまいます。バイオフィルムは細菌同士がより集まって強固に固まっています。そして歯面にへばりついている状態なので付着力がとても強く、歯ブラシでこすっても落とすことができません。歯科医院で専用の機器を使用しないと取り除くことはできません。そのくらい強固に付着しています。そのため、耐性も強く、抗生物質等ではガードに跳ね返されてしまい、内側に浸透することができず効果が少なくなると言われています。抗生物質がバイオフィルムの内側にまで入り込むのは難しいので抗生物質では歯周病は治りません。
歯茎の炎症を抑えるために一時的に抗生物質を使う事はあります。
しかし、歯周ポケットの中から歯茎の内部に侵入してきた歯周病菌には効果がありますので、抗生物質を飲むことで歯茎の炎症を抑える効果はあります。
「歯茎が腫れた」 「歯茎に痛みがある」といった急性症状のある時に短期間だけ抗生物質を服用するのは有効的と言えるでしょう。
しかし、長期間抗生物質を服用すると耐性菌ができてしまう危険性があります。抗生物質を飲むだけの歯周病治療は決してお勧めできません。また抗生物質の軟膏を歯周ポケットの中に塗布すると言う治療方法もありますが、まずは歯の汚れを機械的に落とし(超音波スケーラーなど)プラークを歯から引き剥がすためのクリーニングを行い、補助的に軟膏を塗布すると効果的です。歯周病の再発を予防するためには毎日徹底して歯磨きをすること、定期的に歯科医院での歯のクリーニングを受け、プラークコントロールをしていくことが何よりも大切です。服薬と定期的な歯石取りを並行して行うのが効果的です。
歯磨きと定期的な歯のクリーニングで予防することをお勧めします。