皆様こんにちは。八幡西区の歯医者、いまむら歯科クリニック院長今村です。
5月になり一年で一番過ごしやすい季節となりました。ゴールデンウィークは楽しく過ごしましたか?
新型コロナウイルスはまだ新規感染者が多く収束の兆しがみえません。
またウクライナで起こっている戦争も多くの犠牲者が出ています。同じ地球上であのような凄惨な戦争が起きていることも想像がつきません。平和のありがたさを感じます。
戦争の影響で歯科用金属が高騰しており、それに伴い5月から保険点数が改訂されます。心苦しいご報告ではありますが、みなさまの窓口負担は大きくなってしまいます。私たちの身の周りにも少なからず戦争の影響が出てきています。
いろいろ不安な世の中ではありますが、早く平穏な日常が戻ってくることを願っています。
さて今回は、前回に続きレーザー治療についてお話ししたいと思います。歯周病治療におけるレーザー治療の応用について説明しましょう。
レーザーには殺菌作用がありそれが歯周病治療において効果を発揮します。従来の歯周病治療における+ αの効果があると言えるでしょう。歯周病の原因は歯周ポケットの奥にあるプラークや歯石です。プラークは細菌の塊で歯石は細菌の巣窟となってしまいます。その細菌が出す毒素やそれに対する体の防御反応などにより歯を支える骨が破壊され、歯がグラグラになってしまう病気です。歯周病の症状を改善するためにはポケットの奥にあるプラークや歯石を除去する必要があります。除去にはスケーラーや超音波スケーラーを使って除去しています。
レーザーは先端がとても細く狭いところにも入り込みます。スケーラーや超音波スケーラーがアプローチしにくい深く狭い場所にもレーザーを照射できるため、より正確に歯石やプラークの除去が可能になります。
レーザーを使っての歯周治療はプラークや歯石を除去する際、傷ついた歯茎の粘膜から細菌が血管内に入ってしまうことがあります。細菌が血流に入り込むと抵抗力の落ちている方は熱を出したり体調を崩すことがあります。(これを菌血症といいます)レーザーなら細菌を除去するときに殺菌も行うことができるのでこうした症状を予防することができます。また器具が届かないところに歯石やプラークが付着してしまい炎症が治らない、そのような時はフラップ手術といい歯茎を切開し、歯石やプラークを除去します。その際、通常はメスを使いますがレーザーだと切開する際、歯茎への侵襲が最小限に抑えるので治療の治りが速くなります。
レーザーを利用した歯周治療のメリットとして
1.レーザーがプラークや歯石を除去するとともにポケット内の細菌も行います。歯周ポケット内のプラークや歯石を除去する際、レーザーが当たった部分を同時に殺菌できますので歯茎の出血部分から体内に菌が入り込む(菌血症)を防ぐことができます。
2.正常な歯周組織よりも炎症が起きている悪い組織の方が、水分が多くレーザーが反応しやすいのが特徴です。そのためレーザーは従来の器具より炎症がある箇所にピンポイントで当てることができるため、組織へのダメージも最小限になります。組織へのダメージが少ない分治りも速くなります。デメリットを挙げるとしたら従来の歯周病の治療に比べ時間がかかることでしょう。