こんにちは。八幡西区の歯医者いまむら歯科クリニックの院長今村です。
「私は父が歯が悪かったから私も歯が悪いのです」
「うちの家族はみんな歯が悪いのです」
「・・・・」
今回はむし歯は親から子どもに遺伝するのかについてお話ししましょう。
家族に歯が悪い方がいると遺伝のせいでむし歯になりやすいと考えてしまいがちです。
むし歯とは「お口の中の糖を栄養源として増殖するむし歯菌が排出する酸によって歯が溶けてしまう病気」です。酸によって溶けてしまい柔らかくなった歯が欠けてしまうことで歯に穴が開いてしまい、放っておくとどんどん歯の内部へとむし歯が進行します。最終的には歯の欠損へとつながる恐ろしい病気です。実際、歯を失ってしまうおよそ30%がむし歯によるものです。
むし歯の原因となるむし歯菌(ミュータンス菌)は親から子供へと遺伝はしません。むし歯菌はあかちゃんのお口の中には存在しないことが分かっています。しかし、むし歯のなりやすさへとつながる間接的な要因の歯並びやかみ合わせの問題、唾液に性状などは遺伝する場合があります。
むし歯はプラーク(歯垢)内のむし歯菌が原因となって発症します。しっかりと歯垢を落としお口の中の清潔を保つことで予防できると考えられています。また、甘いものを控えたり、間食の習慣をやめたり、就寝前の食事を減らすこともむし歯予防につながります。
また赤ちゃんのいる子育て世代の方はキスをしたり、同じスプーン・フォークで食べ物を与えないようにしてむし歯菌を伝染させないようにすることも大切です。お父さんお母さんもむし歯があるならしっかりと治療をしておきましょう。むし歯になりにくい生活習慣を徹底することが大切です。
お父さん、お母さんの食生活が子どもに影響を与えることは言うまでもありません。おやつを食べるときは時間を決めてしましょう。だらだらとジュースを飲んだり、デスクワークをする時に甘いコーヒーを飲みながら行ったり、あめ玉をず~となめていたりするとむし歯のリスクが高くなります。時間を決めて行うことが大切です。
以上をまとめると
むし歯菌は遺伝しません。
歯並びやかみ合わせ、唾液の性状などむし歯のなりやすさへとつながる間接的な要因は遺伝します。
家族の生活習慣がむし歯になりやすい環境をつくることがあるので、歯みがきは毎日食後にきちんと行うようにしましょう。