症例一覧

2021.06.22更新


こんにちは。八幡西区の歯医者、いまむら歯科クリニックの院長今村です。
新型コロナウィルスの流行のせいか、昨年から感染対策という言葉を目にすることが多くなったと思います。今回はコロナウィルス感染対策ではなく歯科医院での通常の滅菌についてお話しましょう。

歯科医院での治療の際一番心配なのは別の病気がうつってしまうということです。エイズや肝炎など唾液や血液を介して感染するその他の疾患に対して感染を行う必要があります。
歯科では患者さんと別の患者さん、医療スタッフと患者さんの直接的な接触はないので通常直接感染することはありません。歯科で感染がおこる場合は物や手を介しておこります。
当院では器具はすべて滅菌していますし、使い捨てのものを使用するようにしています。
殺菌という言葉はよく聞きますが、滅菌はあまり聞きなれない言葉だと思います。

滅菌1
滅菌は病原性の有無にかかわらず対象物に存在しているすべての微生物を死滅除去することです。通常滅菌したものからはいかなる感染もおこらないとされています。殺菌は菌を殺すことで対象や程度を含まないという概念です。よって殺菌しても感染を引き起こす可能性もあるということです。滅菌はオートクレーブという器械で行います。オートクレーブはいろいろな滅菌技術がありますが、一般的なものは高温高圧の飽和水蒸気で備瀬物のたんぱく質を変性させて殺菌する高圧蒸気滅菌という方法です。高温高圧で水を飽和水蒸気に変化させ滅菌したい物に接触させると水蒸気が放出する熱で微生物のたんぱく質は変性凝固するので生存できなくなります。

滅菌2
感染対策の第一は流水で器具を洗い流すことが基本中の基本です。当院ではその過程にドイツミーレ社のジェットウォッシャーを使用しています。ミーレジェットウォッシャーは国際規格(ISO 15883)に準拠した高性能洗浄器で歯科用器具を確実に洗浄・消毒します。治療後の器具に付着した血液や唾液等のタンパク質汚れを熱水と高い水圧によって洗浄します。スタッフが手洗いで器具を洗うより格段に高い洗浄力を発揮します。
オートクレーブはその後になります。当院では2台のオートクレーブを完備し使用した器具をすぐに滅菌して準備ができるように取り組んでいます。

感染予防のための滅菌システムを強化することは患者様、医療スタッフの健康を守るためたいせつです。治療中はもちろん、治療後の器具から感染することがないようにできるだけ早い段階でウィルスや細菌を減らすように心がけています。感染予防は地味な作業です。患者様の目に触れないアピールポイントの低い作業ですが、安心安全な医療を提供していくためには歯科クリニックとしてどれだけ高いレベルで行うかが大切です。
                                                        歯学博士 今村英之

投稿者: いまむら歯科クリニック

2021.06.07更新


こんにちは八幡西区の歯医者、いまむら歯科クリニックの院長今村です。
むし歯で歯が欠けてしまうと修復が必要になります。現在では材料学が進歩してたくさんの素材がありますが、保険で使用できるもの保険外で使用するものと決まっています。

保険
まず保険で使用するものについて説明しましょう。
保険診療は使える素材が部位によって決まっています。下の小臼歯の場合、一般的には金銀パラジウムの金属インレー、削った部位が小さい場合はコンポジットレジンによる修復で対応します。金銀パラジウムはいわゆる銀歯のことです。保険適応の金銀パラジウム合金は金の含有量が12%以上、その他銀とパラジウムを含む金属と規定されています。保険適応の金属はすべてJIS規格のものなので安心です。余談になりますがテレビやネットのニュースでも報道されたことがありご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、この金銀パラジウム合金がすごく高いのです。金属なので価格変動があり高値のときは金属のかぶせ物、詰め物をすると保険点数は決まっているので赤字になってしまいます。この金銀パラジウムの高騰は私たち歯科医師を悩ませています。
この金銀パラジウムで修復するメリットは保険適応なので患者さんの経済的負担が少ないことです。金属で強度もあるので耐久性もあります。
削った部位が小さい場合に行うコンポジットレジンは白色の歯科用のプラスチックです。むし歯が小さく十分に歯質が残っている場合が適応になります。コンポジットレジンは保険適応で1~2千円の自己負担で治療ができます。ただケースを選びますのでできるかどうかは診断をしてからになります。たまに患者さんで奥歯も保険の範囲で白くしたいのでコンポジットレジンを詰めてほしいと要求される方がいますが、適応外のケースに無理に行うと欠けたり外れてしまいます。
コンポジットレジンは特殊な光を当てて硬化させます。硬化させる前は柔らかいペースト状なので、内側性(四方に歯質がある)の小さなむし歯が対象になります。銀歯より目立ちにく白い詰め物で修復したいものですが無理な治療は後々トラブルの原因になります。

保険外のものだと金属修復ではゴールドがあります。白いものならジルコニアやe-maxがあります。
ゴールドはいわゆる金歯です。見た目は目立つかもしれませんが延びる性質があり保険の金属に比べると柔らかいのでフィットがよく、対合歯(反対側の歯)を摩耗させることがありません。
ジルコニアは高圧縮されたセラミックのブロックを削って作製します。そのため高い強度を持っています。e-maxは高い強度と透明感をもっているため審美性に優れています。
ジルコニアとe-maxの違いは強度と審美性にあります。審美性ならe-maxの方が優れています。強度はジルコニアに軍配があがります。噛む力が強い男性の奥歯などはジルコニアが適しています。一方、笑ったり大きくお口を開けるとみえる小臼歯の部位はe-maxのほうが向いています。その方の噛み合わせの状態や習癖(歯ぎしり)を考慮して素材を選択する必要があります。
                                                                                                                       歯学博士 今村英之

投稿者: いまむら歯科クリニック

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