こんにちは。院長の今村です。
コロナウイルス感染者数が全国的に増えてきています。東京、北海道は毎日最多を記録しています。福岡県はまだ少ないようですが今からの忘年会の時期、自粛をしないとどんどん増えてしまうかもしれません。今年は当院の忘年会、歯科医師会の忘年会や会食は中止となりました。当然といえば当然ですが一年の最後くらいみんなで楽しく飲みたいですね。
さて、今回は前回に引き続き口臭のお話をしたいと思います。歯周病が口臭の原因になることはお話ししましたが、歯周病のほかに大きな臭いのもととなるのは溜まったプラークや舌の汚れです。また象牙質まで及んだむし歯も臭いの原因となります。
1歯周病になっている歯周ポケット
歯周病が進行してできてしまう歯と歯ぐきのあいだの歯周ポケットの中にはプラークや歯石のほかにも歯ぐきの死んだ細胞や血液、体液、細菌の排泄物が溜まり臭いを発します。この歯周ポケットの清掃は歯科医院でしかできません。歯周ポケットのプラークコントロールは歯科医院で早めに行いましょう。
2溜まったプラーク
溜まったプラークは歯周病やむし歯の原因になるだけではなく、臭いのもとにもなります。磨きのこしが多い部位は上であれば奥歯の頬っぺた側、下であれば奥歯の内側です。どちらも歯ブラシが届きにくい部位です。溜まったプラークは時間が経つと歯石になり、さらにプラークが付着する足場となります。また入れ歯の方は入れ歯自体のお掃除もかかせません。
3象牙質まで進行したむし歯
歯の表面は硬いエナメル質でおおわれています。組成はほぼ無機質ですが、その下の象牙質は3割ほどがタンパク質でできています。むし歯が進行するとタンパク質が細菌によって分解され臭いを発します。象牙質に達するむし歯があると口臭の原因になります。むし歯は自然に治ることはありません。早めに治療しましょう。
4舌のよごれ
毎日歯はしっかりと磨いているかと思いますが、意外に舌のお掃除はされていないのではないでしょうか?舌のよごれ「舌苔」も臭いの原因になります。舌苔とは文字とおり舌の表面の苔のようにおおっている汚れです。舌の表面は微細なひだがたくさん存在します。これらの突起は「舌乳頭」とよばれ毛足の長いじゅうたんのような構造になっています。このじゅうたんの構造の上に付着するのが新陳代謝ではがれたお口の粘膜の細胞や細菌です。これらが厚い層となったものが舌苔です。
舌苔がない状態だと舌の表面は多くの白い点と赤い点が存在しています。これらはそれぞれ舌乳頭の一部で、白い点は「糸状乳頭」赤い点は「茸状乳頭」とよばれています。
「糸状乳頭」の白い点を舌苔と間違えて歯ブラシで強く磨いてしまう方もいますので、混同しないように気をつけてください。歯ブラシを強く当てすぎて傷をつけてしまうと、口臭が生じたり、味覚の異常を起こしてしまいます。白い点が見える場合は舌苔は付着していないと考えてよいでしょう。