こんにちは。院長の今村です。
先日は僕の所属するスタディグループの講演会にスタッフと参加しました。
僕はポスター発表をしました。発表することで、自分の行った治療を見直すことは技術のスキルアップのために大切です。ただ学会や勉強会での発表は何度やっても緊張しますね。
当院のスタッフは僕の発表のときにはポスター会場に駆けつけてくれました。うちのスタッフはやさしいですね。
今回はポスター発表のテーマでもあった「感染根管治療」についてご説明します。
感染根管治療とは、歯の中の神経が死んでいる根の治療のことです。
むし歯や歯周病が悪化し、歯の中の神経が死んでしまうことがあります。この状態を放置すると、根の先端から周囲の組織に炎症が広がります。また一度治療したはずの歯の根に細菌が侵入し、根の先端に病変ができてしまうことがあります。この根の状態を感染根管といいます。この様なときに死んだ神経を取り除き炎症を鎮める感染根管治療を行います
感染根管は根の中の起炎因子を取り除く必要があります。起炎因子は根の中でバイオフィルムを形成しているので除去するには機械的な清掃を行います。これによって根の中の病原性がなくなれば特殊な場合を除き生体の防御機構により治ってきます。根の中の汚れを取り除くといっても、歯の中の針の先のように細い根管にアプローチする必要があるのでレントゲンをみて根の形態を把握しておこなっていきます。
感染根管治療は私たち歯科医師にとって困難な治療のひとつです。
また感染根管治療は歯科治療の中でも、時間と回数がかかる治療です。
被せ物が入っている歯であれば慎重に被せ物と土台を除去し、感染した根の中の汚れを取りながら広げていき消毒と薬の交換を繰り返し行います。根の中が十分にきれいになり痛みが消失したら、空洞になっている根の中に再度感染を起こさないように薬を詰めます(根管充填)。そして土台で補強して被せ物を作っていきます。
通院回数が多くなりますが治療が完了するまで根気よく通ってください。痛みがなくなったからと途中で中断してしまうと炎症がひろがり再び痛みが出たり腫れたりします。また最悪の場合抜歯となることもあります。
治療を受ける際の注意点
出されたお薬は指示通り服用してください。
治療をおこなったあとに、触った刺激や消毒薬の刺激で痛むこともあります。痛むときはご連絡ください。
治療をすすめてから分かってくることもありますので、治療方針が変わることもあります。