院内ブログ

2025.02.24更新

こんにちは。八幡西区にある歯医者いまむら歯科クリニック、今村です。今回は歯周病と認知症について、歯周病と誤嚥性肺炎のお話をしたいと思います。
認知症に歯周病が関連すると言われています。歯周病菌の中にはたくさんの細菌が存在します。最も代表的なものはポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)と呼ばれている細菌です。この細菌が恐ろしいのは歯周病を悪化させるように周囲の細菌に働きかけるだけでなく、歯周病菌の中でもとても強力でタンパク質分解酵素持っていることです。タンパク質を分解して、得られたアミノ酸をエネルギー源とするのです。歯周病が進行し、ひどい炎症を起こした歯茎の傷口から菌が体内に入って行きます。
Pg菌が体内に入り込むと恐ろしいということが近年わかってきました.
脳に侵入したPg菌がタンパク質分解酵素で神経細胞を変性させ、アルツハイマー型認知症を進行させている可能性があると言うことが示唆されました。認知症はさまざまな原因が複合しておこります。今までも、お口の中からの要因として、「歯を失って咬めなくなると脳に刺激がいかず認知症になる」と言われていました。しかし、歯周病菌そのものが直接認知症の機能までも侵している可能性があるということは新しい発見でした。
加齢に伴い歯周組織や免疫が弱まると、歯周病になりやすくなります。よって体が元気なうちに歯周病の治療をし、また歯周病の予防を悪化させないようにお口の健康を管理して行くことが大切です。
Pg菌のタンパク質分解酵素については酵素の働きを阻害する薬の研究が進められています。ジンジパイン阻害薬と言いますが、研究が成功し薬として使われるようになれば認知症治療に画期的なものになるでしょう。

歯周病

誤嚥性肺炎などの感染症の予防にはお口の中を清潔に保つのが必要です。肺炎は細菌やウイルスが肺の奥にある肺胞に入り込み、そこで繁殖して炎症を起こす病気です。一方、誤嚥性肺炎は唾液や飲食物に含まれる細菌が誤って肺に入り込み、そこで繁殖して肺炎を起こします。唾液や飲食物は普通なら食道に入って胃に入っていくのですが、加齢により喉の周りの筋肉が衰えてしまうと空気の通り道である気道に誤って入り込んでしまいます。
日本人の死因の第6位をしめる恐ろしい病気です。誤嚥性肺炎の予防には歯科衛生士さんなどの専門家による口腔ケアが有効であることが複数の研究から明らかになっています。お口の中の唾液に含まれる細菌が減れば誤嚥が起こっても肺炎につながる危険性が減ります。
予防には歯医者さんで定期的にお口をクリーニングしてもらい、ご自宅でのセルフケアの指導を行ってもらうことが大切です。
また感染症と言えば第5類には移行しましたが、新型コロナ感染症です。ウィルスは人の特定の細胞の中で増殖します。お口から入ってくる場合、舌や喉などのお口の粘膜に付着しそこから細胞内に入り込みます。お口の粘膜細胞内に入り込んだ新型コロナウイルスは、血管や肺の細胞へと侵入し増殖して行きます。新型コロナウイルスの研究はまだ正確には判明していないところもありますが、お口の中の細菌がウイルスの侵入を助長しているとも言われています。虫歯や歯周病は細菌が原因で歯石やプラークの溜まったお口は細菌がたくさん存在する証拠です。感染予防の基本はきれいなお口を維持することです。

投稿者: いまむら歯科クリニック

2025.02.17更新

こんにちは。八幡西区の歯医者いまむら歯科クリニック、今村です。

超高齢化社会の日本では1965年には153人だった百歳越えの方たちは2020年には8万人を超えました。またあるデータでは2007年生まれの半数は107歳まで生きると予測されるほど、日本人の高齢化が進んでいます。
でも、寿命が伸びるからといって健康に長生きできている人が増えているわけではありません。糖尿病の方は予備軍を含め約2000万人いると言われていますし、60歳以上の高齢者の2人に一人は認知症になるというデータもあります。肺炎や誤嚥性肺炎などの感染症は、変わらず多くの高齢者を苦しめています。長生きするなら、健康で元気に生活を送りたいものです。そのキーポイントの一つが、お口の健康です。さまざまな病気にお口の健康が深く関連しています。また、残っている歯の本数が、寝たきりになるリスクや寿命に影響していると言うデータもあります。お口の健康は全身の健康に関わるケースはいくつもありますが、今回は糖尿病、認知症、感染症、寝たきりになるリスクとの関連、歯科医院で受ける予防指導の大切さについてご説明いたします。

歯周病

糖尿病になり高血糖の状態が何年も続くと、血管が弾力を失い硬くなりもろくなってしまいます。その影響は毛細血管で特に現れてきます。そして血液の流れが悪くなり酸素や栄養の供給も滞ります。腎臓などの内臓や網膜には毛細血管が張り巡らされており、神経に栄養を運ぶのも血管です。よって、糖尿病により血管がもろくなってしまうとやがて臓器不全や失明、神経障害などの合併症を引き起こします。そのような糖尿病を悪化させるのが歯周病です。
人の膵臓からは、インスリンという血糖を下げるためのホルモンが分泌されています。このインスリンが充分に働かなくなり、血液中を流れるブドウ糖を体内に取り込めなくなると高血糖になります。インスリンが働くなくなるケースには、インスリンの分泌自体が減っている、インスリンの働きが悪くなっていると二つあります。日本人の糖尿病患者さんの大半は「2型糖尿病」と言われインスリンの効きが弱くなっているケースがほとんどです。
インスリンの効きを悪くするのは体の中で起こる炎症です。
脂肪を貯め込んだ内臓脂肪は免疫細胞を刺激して体に炎症をおこします。この時生み出される炎症物質が血流に乗って体内に広がり、インスリンの働きを阻害します。
歯周病もお口に炎症をおこしています。腫れや出血、痛みは炎症が原因です。歯周組織における、免疫細胞と細菌のバランスによって、炎症物質が同じように血流に乗って体内に広がりインスリンの働きを邪魔します。よって、「歯周病が糖尿病を悪化させる」とは糖尿病と歯周病になっている場合、内臓脂肪からの炎症に加えお口で起こっている炎症がインスリンの働きを邪魔するのです。歯周病が治ればお口からの炎症がなくなるので、糖尿病にも良い影響を与えます。

投稿者: いまむら歯科クリニック

2025.02.08更新

こんにちは。八幡西区の歯医者いまむら歯科クリニック、今村です。
今回はフッ素洗口についてお話しいたします。北九州市でも二年ほど前より小学校でのフッ素洗口が始まりました。この方法は集団で行われる事が多かったのですが、最近では洗口液を歯科医院や、ドラッグストアで購入することができるためご自宅で手軽にできるようになってきました。
過去のデータから学校における集団フッ素洗口はとても有効なことが分っています。
フッ素洗口の効果が上がりやすい理由として、歯ブラシの届かない虫歯になりやすい場所に洗口液のフッ素がしっかりと届いて効果を発揮します。フッ素は歯の表面を強くして、磨き残したプラークに作用して、歯ブラシが届かないような虫歯になりやすい場所に虫歯予防の効果を発揮してくれます。歯磨き剤にもフッ素は入っておりますが、フッ素洗口は最後にうがいをしないのでお口の中にフッ素が残りやすいというメリットがあります。

フッ素洗口について
フッ素洗口は四歳ごろから始めると予防効果を大きく発揮します。ぶくぶくうがいができるようになるのはだいたい四歳ぐらいです。その頃になると乳歯はすべて生えそろい、六歳頃の永久歯の萌出に予防効果を期待することができます。生えてきたばかりの歯は歯質が弱く虫歯になりやすい状態ですが、フッ素の虫歯予防効果も上がりやすいと言われています。乳歯に虫歯があると永久歯も虫歯になりやすいです。乳歯を予防し生えたばかりの永久歯を虫歯から守るため四歳くらいから始めると良いと言われています。また、四歳ごろから15歳までフッ素洗口を続けると大人になってからも虫歯になりにくいというデータがあります。フッ素洗口は学校では週に一度ですが、ご自宅でもフッ素洗口を行うとさらに高い予防効果を期待できます。週一回の実地でも成果はもちろんあります。フッ素は50ppm程度の低濃度でも、数多く、長時間はの表面に作用することで、歯を強くし、再石灰化を促進させることが分っています。もし自宅でフッ素洗口をする場合、就寝前にすることができるため、就寝中は唾液は減ってフッ素がお口の中に留まりやすく、長時間歯に作用します。
子供の頃からフッ素洗口してないからもう手遅れだ。と思われる必要はありません。フッ素洗口は大人にも効果があります。大人のお口の中には被せ物や詰め物で修復された歯がたくさんあると思います。詰め物や被せ物は段差ができやすく、そこにプラークがたまり再び虫歯になってしまいます。また、中高年になると増えてくる歯の根元の虫歯、「根面う蝕」に効果的です。加齢に伴い歯茎が痩せてくると、歯の根元の象牙質がむき出しになってきます。象牙質は歯の表面を覆ているエナメル質に比べると格段に虫歯のリスクが上がります。
中高年になると唾液が減って虫歯になりやすくなるためフッ素洗口をすることをお勧めします。
フッ素洗口液は現在ドラッグストアやネットで手軽に買うことができます。歯科医院で取り扱っているもの(医療用医薬品)はフッ素濃度が450ppm、市販品(第三類医薬品)は225ppmです。使用方法は6歳以上であれば7~10mlをお口に含んでブクブクしたらそのまま30秒ほどキープします。その後飲み込まずに吐き出します。洗口したら30分は飲食をしないようにしましょう。就寝前に歯磨きをしそれからフッ素洗口をするのがお勧めです。

投稿者: いまむら歯科クリニック

2025.02.02更新

 


こんにちは、八幡西区の歯医者いまむら歯科クリニックの平田です。

今回のブログは今年からいまむら歯科クリニックでも販売されている「ホイップクレンズ」という洗浄剤についてご説明させていただきたいと思います。

まず使用目的は入れ歯、マウスピース、ナイトガード、矯正用リティナーなどの口腔内装置用の泡状洗浄剤になります。

一見綺麗に見えてもきちんとお手入れしないとプラークや菌が蓄積して、汚れたりヌルヌルしたり臭いの原因になったりします。
そういったことを防いで口腔内装置を長く清潔に保っていただくためには適切な洗浄剤を使用していただくということが大切になってきます。

以前は「フレッシュクレンズ」という泡状洗浄剤を販売していましたがこちらがリニューアルされて名前と使用感が変更になりました。

平田さん

この新しくなった「ホイップクレンズ」の使用感が本当にいいんですよー!
口腔内装置をお持ちの方には是非おすすめしたいので最後まで見ていただけると幸いです。

まず一番大きな改善点は何と言っても泡です!まさにホイップクリームの様なもっちりふわふわのしっかり泡に変更されていて感動しました。
しかも容器を振るひと手間がなくなったところも嬉しい点です。

以前の物は使用前に容器を振る必要があったり泡が緩くて急いで洗わないと液垂れするというプチストレスがあったのですが、リニューアル後には見事に改善されていて、毎日のお手入れがかなり楽になるのではないかと思います。

更にブラシで磨く時間が90秒から60秒に減ったのも何気に嬉しい点です。

次に内容量が125mlから180mlに増えてます!
約52回分から約240プッシュ分になったということなんですが、これも凄くないですか?

以前の物は泡が緩く液垂れしやすかったので更にワンプッシュする事もありもっと少ない回数だった可能性がありますが、リニューアル後は泡がしっかりしているので1プッシュでも十分綺麗に磨けている感覚があります。
一応使用量の目安としては、マウスピースや部分義歯は1プッシュ、総義歯は2プッシュということです。
例えばマウスピースを一日1回洗浄する場合は240回分なので約8ヶ月もつ計算になります!

こんなにメリットが増えたのにお値段は30円しか変わらないのでトータルかなりおすすめしたい商品です。

(使用方法)

①口腔内装置に泡を適量のせる

②柔らかいブラシで磨く

③流水でしっかりすすぐ

以上です!
これだけで99.9%の除菌効果が得られるなんて素晴らしいと思いませんか?

後は研磨剤無配合なので口腔内装置を傷付けにくく優しくお手入れすることができたり、洗浄後はミントの香りでスッキリすることができます。
1200円で販売していますので、気になった方は受付でおたずねください。

投稿者: いまむら歯科クリニック

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