こんにちは。八幡西区の歯医者いまむら歯科クリニック、今村です。
今回はフッ素洗口についてお話しいたします。北九州市でも二年ほど前より小学校でのフッ素洗口が始まりました。この方法は集団で行われる事が多かったのですが、最近では洗口液を歯科医院や、ドラッグストアで購入することができるためご自宅で手軽にできるようになってきました。
過去のデータから学校における集団フッ素洗口はとても有効なことが分っています。
フッ素洗口の効果が上がりやすい理由として、歯ブラシの届かない虫歯になりやすい場所に洗口液のフッ素がしっかりと届いて効果を発揮します。フッ素は歯の表面を強くして、磨き残したプラークに作用して、歯ブラシが届かないような虫歯になりやすい場所に虫歯予防の効果を発揮してくれます。歯磨き剤にもフッ素は入っておりますが、フッ素洗口は最後にうがいをしないのでお口の中にフッ素が残りやすいというメリットがあります。
フッ素洗口は四歳ごろから始めると予防効果を大きく発揮します。ぶくぶくうがいができるようになるのはだいたい四歳ぐらいです。その頃になると乳歯はすべて生えそろい、六歳頃の永久歯の萌出に予防効果を期待することができます。生えてきたばかりの歯は歯質が弱く虫歯になりやすい状態ですが、フッ素の虫歯予防効果も上がりやすいと言われています。乳歯に虫歯があると永久歯も虫歯になりやすいです。乳歯を予防し生えたばかりの永久歯を虫歯から守るため四歳くらいから始めると良いと言われています。また、四歳ごろから15歳までフッ素洗口を続けると大人になってからも虫歯になりにくいというデータがあります。フッ素洗口は学校では週に一度ですが、ご自宅でもフッ素洗口を行うとさらに高い予防効果を期待できます。週一回の実地でも成果はもちろんあります。フッ素は50ppm程度の低濃度でも、数多く、長時間はの表面に作用することで、歯を強くし、再石灰化を促進させることが分っています。もし自宅でフッ素洗口をする場合、就寝前にすることができるため、就寝中は唾液は減ってフッ素がお口の中に留まりやすく、長時間歯に作用します。
子供の頃からフッ素洗口してないからもう手遅れだ。と思われる必要はありません。フッ素洗口は大人にも効果があります。大人のお口の中には被せ物や詰め物で修復された歯がたくさんあると思います。詰め物や被せ物は段差ができやすく、そこにプラークがたまり再び虫歯になってしまいます。また、中高年になると増えてくる歯の根元の虫歯、「根面う蝕」に効果的です。加齢に伴い歯茎が痩せてくると、歯の根元の象牙質がむき出しになってきます。象牙質は歯の表面を覆ているエナメル質に比べると格段に虫歯のリスクが上がります。
中高年になると唾液が減って虫歯になりやすくなるためフッ素洗口をすることをお勧めします。
フッ素洗口液は現在ドラッグストアやネットで手軽に買うことができます。歯科医院で取り扱っているもの(医療用医薬品)はフッ素濃度が450ppm、市販品(第三類医薬品)は225ppmです。使用方法は6歳以上であれば7~10mlをお口に含んでブクブクしたらそのまま30秒ほどキープします。その後飲み込まずに吐き出します。洗口したら30分は飲食をしないようにしましょう。就寝前に歯磨きをしそれからフッ素洗口をするのがお勧めです。