院内ブログ

2025.08.05更新

こんにちは。八幡西区の歯医者いまむら歯科クリニックです。

骨粗しょう症治療薬のビスフォスフォネート薬剤(BP薬剤)を服用した方が歯科治療後に副作用によって「あごの骨が腐る」「感染症が重くなる」ことが報告されています。骨粗しょう症の治療を受けるときには注意しましょう。

ビスフォスフォネート薬剤と歯科治療について
2003年アメリカで、ビスフォスフォネート薬剤(BP薬剤)による治療を受けている患者さんにあごの骨が腐ったり重い感染症にかかったりすることが報告され、特に歯科治療後に発生することが多いと報告されました。日本でも同じような例が報告されています。
BP薬剤は骨粗しょう症やガンの骨転移、高カルシウム血症、多発性骨髄腫などの治療に使われているお薬です。

骨粗しょう症
あごの骨が腐るのはなぜ?
BP薬剤は骨が溶けるのを抑え骨の量を増やす効果があるお薬です。なぜあごの骨が腐ってしまうのか、今のところ原因が分かっていません。
危険度が高い注射薬
これまでの研究データにより飲み薬より注射薬で副作用が現れる可能性が高いことが分かっています。骨粗しょう症の治療は通常飲み薬を使いますが100%安全とはいえません。BP薬剤を服用している方、服用の予定がある方、過去に服用していた方は歯科医に申し出てください。
*主な経口用BP薬剤は「ダイドロネル」「フォッサマック」「ボナロン」「アクトネル」「ベネット」です
手術のような歯科治療が危険
副作用は抜歯、歯周外科、インプラント手術などのあとに発生する可能性が高まります。歯石の除去やブラッシング、通常のむし歯の治療、修復治療などのあとには影響はありません。
BP薬剤の治療を受けている方、過去に受けていた方
勝手にBP薬剤の服用を止めたりせずに、歯科医、主治医にご相談ください。過去に使っていた方もそのことをお伝えください。
 お口のケアができていると、副作用が発生しても重くならないと報告されています。歯科医院で定期的なチェックとプロによるケアを受けて、お口の状態をいつもきれいにしておきましょう。
骨粗しょう症は骨を作る作用と溶けて失われるバランスが崩れて生じる骨の密度が低下する病気です。骨の密度は加齢によって低下します。特に閉経後の女性は女性ホルモンの影響を受けて症状が急速に進行します。骨粗しょう症の患者さんはおよそ100万人以上いると言われています。8割が女性の患者さんです。

骨粗しょう症と歯周病
女性ホルモンのエストロゲンが減少すると全身の骨密度が低下し、顎の骨の密度も低下します。またエストロゲンの減少は歯周ポケットの中の免疫反応や炎症を起こす成分を過剰にし、歯肉の炎症を悪化させることも分かってきました。閉経を迎えたら骨粗しょう症や歯周病の悪化に気をつける必要があります。

骨粗しょう症と診断されたら
骨粗しょう症の治療薬によって歯科治療後に副作用が現れると報告されています。骨粗しょう症の治療を受ける前には必ず歯科検診を受け悪いところを治してから治療を受けてください。またすでに骨粗しょう症の治療を受けている場合は教えてください。
抜歯や歯周外科といった外科処置が制限されます。
ビスフォスフォネート製剤と副作用
骨粗しょう症の治療を受け、ビスフォスフォネート製剤を服用している患者さんのなかに歯科治療後に重大な合併症をおこすことがあります。これはビスフォスフォネート製剤の副作用によるものです。
ビスフォスフォネート製剤は骨の密度が低下する骨粗しょう症の治療薬で、骨が溶けるのを抑え骨の量を増やす効果があります。ビスフォスフォネート製剤は骨粗しょう症の治療だけではなく、がんの骨転移の治療や多発性骨髄腫などの治療にも使用されています。重大な副作用があるにもかかわらず骨粗しょう症の治療に使用されているのは現在もっとも有効な薬だからです。
日本で使用されているビスフォスフォネート製剤の飲み薬
ダイドロネル
フォサマック
ボナロン
アクトネル
ベネット
など以上のものがあげられますが、薬は日々研究が行われ新しい薬も出てきているので歯科治療を受ける際にはおくすり手帳をご提示ください。また飲み薬ではなく注射薬で治療されている場合もありますので、月に一度注射を受けている場合などは教えてください。

歯科治療を受ける際の起こりうる副作用
顎の骨が腐る
歯髄が炎症を起こす
感染症が重くなる
抜歯、歯周外科の手術、インプラント手術など外科手術後に発生する可能性が高いため必要な治療が受けられないこともあります。
もしどうしても抜歯や外科処置を行わなければいけない場合は3~4か月ほどお薬を止めて行います。もし薬を止めることが不可能な場合は主治医と相談して治療を行います。
骨粗しょう症の治療を受けている場合お口の中を清潔に保ち、炎症を起こさせないことが大切です。そのためには定期的に歯科医院で口腔ケアを行いましょう。

 

投稿者: いまむら歯科クリニック

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