院内ブログ

2025.09.23更新

こんにちは、八幡西区の歯医者いまむら歯科クリニックです。
さて今回のテーマは『染め出し』です。
染め出しという言葉を皆さん聞いたことはありますか?
染め出しとは、歯の表面にピンク色の染色液を塗り、磨き残しを分かりやすくする為の方法です。
今年度から当院でも染め出しを本格的に行なっていく事になりましたので、今回はこの染め出しについてお話ししたいと思います。
しっかり歯ブラシを当てて磨いたつもりでも、磨き残しが残っていることがあります。そして、その磨き残した部分から虫歯になりやすくなってしまうのです。これを防ぐ為に、磨き残した部分を把握して普段からしっかり歯磨きをする為に染め出しを行います。

染色
染め出し液について
染め出し液は以前は塩基性フクシン、ビスマルクブラウンなどが使用されていました。ですが、味、染色性、発癌性などの問題があり、現在はフロキシン(赤色104号)、ローズベンガル(赤色105号)などの食用色素が使用されています。染め出す際、液を塗布する方法以外に錠剤を噛み砕いて染めたり、ジェルタイプの方法がありますが、当院では塗布法で行います。染め出し液の色素が磨き残しの中に含まれている多糖類とタンパク質に結合してピンク色に染まります。通常、磨き残しはほぼ白色の為、少量の場合はなかなか歯との見分けがつきません。その為、色をつけてわかりやすくします。

染め出しの手順
唇などについてしまっても落ちやすいように、ワセリンを唇に塗ることがあります。
綿球(綿を丸めたもの)で歯の表面を染め出し液を塗布していきます。全体に塗布した後うがいをしていただきます。この際、液が洋服などに飛んでしまうととても落ちにくいので注意してください。歯面が染まったのを確認したら、ブラッシング指導を行います。ピンク色の部分が磨き残した跡になりますので、把握をしていただき適切な歯磨きの方法をお伝えします。ご自宅で使われている歯ブラシを実際に持ってきていただいてブラッシング指導を行います。毛先が開いた状態のまま使用していないか、患者様の口腔内にあった歯ブラシを使用しているかなどを確認させていただきます。ブラッシング指導後、通常のクリーニングを行って染色液も綺麗に落としていきます。
当院では定期検診を受けられている患者様を対象に染め出しを行なっていますが、定期検診を受けていない方もご希望であればクリーニングの際に染め出しを行います。染め出しをしたい、詳しく知りたい方は是非スタッフにお声掛けください。自分の磨き残し部位を知って、日々の歯磨き時間を有効に使いましょう。

話は変わりますが、一般社団法人日本口腔衛生学会からの情報である【乳児と大人の食器の共有による虫歯菌感染について】をご存知でしょうか??
内容としては、今まで乳児期に大人が使用した食器を媒介して虫歯菌に感染するため、各自食器やお箸・スプーンなどは分けて使うように言われていました。ですが、研究で離乳食が始まる生後5〜6ヶ月以前の生後4ヶ月ですでに母親の口腔細菌が移っていることが分かりました。これにより、食器の共有が子どもの虫歯リスクを上げてしまう直接的な原因とは考えにくいとのことでした。

う蝕
ではどうしたら虫歯予防できるのか…?
必要なのは大人と同じく、丁寧な歯磨きやフッ素の使用、そして歯医者での定期検診です。
食後に歯磨きするのは当たり前ですが、その時にどういった歯磨きをしているのかが大切です。ただ流れるように歯ブラシを動かしても、大きな汚れが取れるだけ。子どもの奥歯まで優しく歯ブラシを入れて、細かく磨きましょうね。小学校を卒業するまでは大人による【仕上げ磨き】をしていただいたほうが、効果的です。
最後はフロス(糸ようじ)を全体に通して終了です。
大人と一緒で、歯と歯の間は歯ブラシの毛が入りにくいです。
また、近年子どもの顎は小さい傾向があり、乳歯の隙間が無い子が多いため物が挟まったままのことがあります。
しっかりフロスで残りの汚れも落としましょうね。
次にフッ素の使用です。
子ども用歯磨き粉にフッ素が含まれているものを使用しましょう。メーカーによってはフッ素ジェルも販売されています。フロスの後に塗って歯磨き終了するといいですね。注意として、6歳未満の子どもは安全性の問題から1450ppm以下の歯磨き粉を使用してください。
また使用する量も乳歯萌出開始〜2歳くらいまでは3mmくらい、3歳〜5歳くらいまでは5mmくらいの量を使用してください。多すぎるとフッ素による副作用が出ますし、少なすぎるとフッ素の効果が出ません。
最後は歯医者での定期検診です。
当院ではほとんどの方に3ヶ月毎の定期検診をおすすめしています。虫歯が見つかった場合は、状態によって経過観察を行ったり早急に治療を進めたりします。また、クリーニングの最後は一般には出ていない高濃度のフッ素を少量、塗って終わります。
私たちスタッフも、検診で来院された保護者に『食器共有は絶対にしないでください』とお伝えしていましたが、今後はそれ以上に歯磨きの重要性、定期検診の習慣づけを重点的にお伝えしたいと思いました。
幼少期からの虫歯予防が将来のお口に繋がります。虫歯だらけ、詰め物・被せ物だらけにならないように、ぜひご家族で取り組んでみてくださいね。

 

投稿者: いまむら歯科クリニック

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