八幡西区の歯医者いまむら歯科クリニックです。
今回は学童期のお口の状態についてお話しさせて頂きます。

学童期(大まかに6歳~15歳。親知らずを含めると20歳頃まで)のお話をします。
歯の生え変わりの順番は
6歳頃
・下の前歯が抜けて永久歯が生える
・1番奥、もともと乳歯のなかった所に「6歳臼歯」が生える
7歳頃
・上の前歯が抜けて永久歯が生える
8歳頃
・前から後ろ向かって順番に永久歯が生える
10~11歳頃
・上下の奥歯が抜け永久歯が生え始める
12~14歳頃
・奥歯の永久歯か生えそろい、大人の歯並びが完成する。
(※個人差が大きいです。2歳ほどは前後します)
この頃はお家の方も子供のお口が気になる時期だと思います。よく耳にするのは歯並びについてのお話が多いです。特に前歯で、「真っ直ぐ生えてない」や「すきっ歯に見える」などがあります。
これは
① 7歳頃に前歯が「ハの字」で生える
② 9歳頃に糸切り歯か「逆ハの字」で生える
③ 14歳頃に全体が生えそろうと左右に押し合ってキレイに歯が並ぶようになります。
永久歯の歯並びのは、1番奥の大きな歯(第2大臼歯)が噛み合うことで完成になります。正しい永久歯の噛み合わせに、とても大切な時期です。正しい噛み合わせは見た目だけでなく、噛む機能もしっかり発揮できることです。この為には歯の交換の時期は、大人の歯がはえる場所をしっかり確保しておくことが必要になります。もし乳歯が早い時期に失ってしまうと、歯並びが悪くなる原因になることがあります。歯並びにはあごの成長が関係していますがこの時期はあごだけでなく頭の骨全体が成長して大人の顔へ近づくときです。ぐっと雰囲気が変わる時期です。顔だけでなく、噛む力も変わります。大人の歯(6歳臼歯や第1大臼歯と言われます。)が生えてくると噛む能力は大きく増えます。乳歯の歯並びでは約20㎏
大人の歯並びでは約60㎏と約3倍になります。しかし、歯が虫歯で無かったり不正な噛み合わせになると噛む力は低下します。よって成長期には噛む能力の発達を考えても虫歯に気をつけることが大切です。乳歯だけはなく、生えてすぐの大人の歯は「幼若永久歯」といわれ大人のお口の中の歯と見た目は同じでも、まだ質がしっかりしてません。質が弱いので虫歯の進行が早く、刺激が神経に伝わりやすいです。この時期は多くの歯が生えかわりますので、虫歯が多発することもあり注意が必要です。
続きましてこの時期の「歯の予防・お口で気をつけること」のお話をします。
虫歯が多発しやすい頃なので
・食生活を正すこと
・歯磨きをしっかり
が、とても大切です。そしてこれらに加えて「フィッシャーシーラント(裂溝予防填塞法)」をすることをおすすめします。「フィッシャーシーラント」とは奥歯の溝をうめて食べカスが入らないようにする方法です。奥歯の溝は複雑で食べカスがたまりやすく、虫歯になりやすいので虫歯予防になります。タイミングとしては、奥歯のかみ合わせ面が歯ぐきの上に出てきた時です。しかし、これで絶対に虫歯が出来ないわけではありません。食生活や歯みがきと歯を強くするために定期的にフッ素を塗布しましょう。
またホルモンバランスで歯ぐきが腫れやすい時期です。歯が生えそろうと落ちつくことが多いですが、お口をキレイにするのはかわりません。しっかり磨いて下さい。
そして歯並び以外の食事にも影響が出てきます。6歳頃から大人の歯が生え始めると、乳歯がグラグラしてきます。前歯が抜けてるこの時期は食べ物が噛みきれず、食べにくいものが増えます。一口量を噛みきれないので食べ物の大きさや固さが分かりにくくなり、食べ方がヘタになります。大人がこどもの食べ方を見て、大きさや固さに気をつけて「奥歯でよく噛んでね」とお話してあげて下さい。
奥歯が抜けてる時は乳歯が抜けて大人の歯が生えるまでは、かみ合ってる歯が少ないので「噛む力」も低下してます。上手く噛めないので今まで食べていたものも嫌がるようになり、お水で流し込むようなります。奥歯は前歯に比べるとあまり目がいかないので分かりにくいので注意が必要です。奥歯も前歯も抜けている時は食べ方や、好き嫌いなどに変化がないかをみて下さい。食べ物の大きさや固さが今の時期に合っていない場合があるので、大変ですが無理をさせずに調理での工夫などで対応してみましょう。仕上げみがきにも悩む時期と思います。大人の歯が生えそろっていても、歯の形は凹凸があるので子供だけでは汚れは落とせません。小学校3,4年生までは続けて毎日チェックが必要です。歯並びが完成する(中学生終わり頃)までは週2,3回は定期的にみてあげて下さい。全体を磨かなくても、汚れが残ってるところだけのチェックでも大丈夫です。お口のチェックが思っていたより大きくなっても必要なのかと驚かれた方が多いと思います。この時期に出来上がったお口の状態で大人の生活が始まりますので、是非お子さんと一緒にお口のケアを行って下さい。歯科医院では定期的なフッ素塗布や、その子にあった虫歯のリスクが高い所の説明も致しますし、磨きづらい所や、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。





